中国全人代会議開催

中国の首都北京で3月5日、1年に1度開かれる全国人民代表大会(全人代)が開幕しました。初日、そして全人代全体としても最大アジェンダの一つである、国務院総理による「政府活動報告」が現地時間の9時過ぎから、李強(リー・チャン)氏によって読み上げられました。

 私は日本で画面越しに生中継で観ていましたが、9時6分ごろ報告を開始し、ちょうど10時に終了。1時間弱の報告でした。途中お茶をすすりながら報告を読み上げた李強氏は、初めて国務院総理として報告を行った昨年に比べて、リラックスしていて、自信を有しているように見受けられました。報告内容の段落や論調しだいで会場から湧き上がる拍手に対しても、あまり意に介さないようで、拍手が起ころうとしているのに、読み進めようとする「ちぐはぐ感」も何度か見られました。

 習近平(シー・ジンピン)総書記を含め、チャイナセブンを含めた他の国家指導者と比べても、李強氏は公の場で、笑顔でいる場面が多く、ナイーブさよりも「鈍感力」を備えた気さくな方(気難しくない方)という印象を私は抱いています。

 日本の経済界も李強氏とは対面でコミュニケーションする機会はあるでしょうし、本年中の日本訪問も模索されています。何はともあれ、日本の政界や財界、民間にとって、李強氏は現実的に最高位のコンタクトパーソンと言えますから(習近平氏はなかなか難しく、コンタクトも一筋縄にはいかない)、その見解や動向をしっかり注視していく必要があるでしょう。